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事例紹介

認知症対策・相続対策 資産保有会社の株式信託

2016年09月26日

今回ご紹介する事例は、父親(N様)が所有する資産保有会社の認知症対策や相続対策でお悩みの息子さん(長男)からのご相談です。

1.家族信託設定に至る経緯

N様は資産保有会社を通じて賃貸マンション2棟を所有しています。そして、資産保有会社の株式はN様が大半を所有しています。

N様には二人のお子さんがいますが、札幌市内にいて奥様の今後を託すことができる長男に資産保有会社を承継する考えでいました。

ただし資産保有会社の株式を現状のまま相続すると相続税の負担が重いため、株価対策を行うことで相続が発生した際の相続税の額を抑え、可能な場合は贈与税に配慮しながら長男に生前贈与することを予定していました。

しかしながら、株価対策が効果を発揮するには3年間を要し、N様のご年齢(90歳代)や健康状態を考えると追加の対策が必要となっていました。

2.対策をしなかった場合のリスク

今回、対処が必要となるリスクを整理すると以下2点となります。

① 株価対策の効果が生じる前にN様に相続が発生し、多額の相続税が発生するリスク

② N様が認知症を発症された場合に生前贈与ができなくなってしまうリスク

3.リスクに対する対策

リスク①については、N様の奥様に資産保有会社の株式を相続していただくことで相続税の配偶者控除を活用することにしました。

N様には二人のお子さんがいるため、奥様が亡くなった際には、長男が確実に株式を承継できるようにしておく必要がありました。

このため、信託が持つ「次の次の相続も指定できる機能」(受益者連続型信託)を活用することとしました。

リスク②については、家族信託を活用することで、受託者が資産保有会社の株式を親族に贈与できるようにしました。

また、N様が資産保有会社の株式の大部分を所有したまま認知症になった場合には、資産保有会社の株主総会で必要な決議が行えなくなる懸念がありましたが、これも家族信託を活用することで解消されます。

N様の案件は、N様が保有している株式をご長男に信託し、N様が認知症等で株主としての議決権行使ができなくなったり、株式の処分ができなくなったりすることに備えるものでした。

このため、基本的な構造としては、N様を委託者兼受益者、ご長男を受託者とし、ご長男に株式の管理処分権限を与えるというものになりました。

また、N様がお亡くなりになられた後は、受益権を奥様に引き継ぐ受益者連続型としました。

そしてN様も奥様もお亡くなりになった場合には、それ以上は信託を続ける意味がなくなってしまうため、信託を終了させ、株式をご長男に引き継ぐこととしました。

一方で、受託者のご長男にもしものことがあったときに備えて、お孫さんを第二次受託者に指定しておきました。

4.家族信託設定の書類に関して

必要書類の関係では株式を信託財産とする信託契約書、株式の信託譲渡を伴うことから(譲渡制限付株式であるため)会社の手続上必要な株式信託譲渡申入書及びその申入れを承認する臨時株主総会議事録、信託譲渡後の株主の状況を記録した株主名簿の作成を行いました。

これらの書類を事前打ち合わせの上でファイナルし、会社の株主であるN様、ご長男、お孫さんにN様のお宅に集まって頂き、当社の深谷及び荒木もその場に伺い、署名押印の手続及び株主総会を開催して頂きました。

本件では相続税についても問題となりうることから、これらの書類の作成時期を明らかにするため、信託契約書及び株主名簿については署名押印後に公証役場に持参して確定日付を受けました。

5.今回の家族信託設定について

会社法上の手続も絡んでくることからやや煩雑な手続ではありましたが、N様及びご長男にご理解を頂いていたことから非常にスムーズに進めることができました。

事業承継対策にも家族信託の有用性が認められていますので、会社の承継にお悩みの方も是非家族信託のお話を聞いていただきたいと思います。


資産保有会社の認知症対策の家族信託でも、つなぐ相続アドバイザーズ

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