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事例紹介

認知症対策としての家族信託についてのご相談

2016年04月07日

今回ご紹介する事例は、お父様が認知症になった場合の財産管理を心配された息子さんからのご相談です。

1.家族信託設定に至る経緯

ご相談者(Aさん)のお父様は病気で倒れられて、医師から今後認知症が進行する可能性が高いという話を聞かされました。Aさんは、お父様が認知症と診断された場合、財産の管理には成年後見人制度の活用が必要であり、お父様が施設に入ることで空き家となる実家を売却する場合には成年後見人制度の選択が不可避であることを調べていました。そして、成年後見人制度を活用した場合には、①家庭裁判所の関与が生じる、②外部専門家が選任される可能性がある、ことでお父様の財産管理に様々な制約が生じることを懸念されていました。こうした懸念を解消する方法として弊社から家族信託をご案内したところ、その有用性をご理解いただき家族信託の設定に至りました。

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[お客様が懸念される点]

①家庭裁判所の関与が生じる

②外部専門家が選任される可能性がある

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2.家族信託の内容

上記の事例において弊社からご提案した家族信託の内容は以下の通りです。

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■信託財産

▼お父様のご自宅と預金された金銭のほぼ全額

(実務上の取り扱いとして、信託した預金は入院費や手術費など比較的金額の大きい支払いに用いることとしました。また、お父様の年金は信託財産では無くお父様個人の口座に振り込まれるため、日常的な金額の小さな支払いはこの口座から行うことにしました。)

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■委託者 兼 受益者:

▼お父様

■受託者:

▼Aさん

(Aさんに万が一があったときのためにAさんのご兄弟をバックアップ受託者としました)

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■信託の内容:

▼受託者の判断のもとで、入院費など必要な支払いを信託財産から行えるようにする
▼受託者の判断で自宅を売却できるようにする

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■お父様が亡くなられた際の対応:

▼信託を終了し、残余財産を兄弟で相続する。

(本件は可能な限り低コストでの信託の設定と設定後の維持が求められていたため、信託の活用は認知症対策に限定し、信託の遺言代用機能を用いた相続人の指定は行いませんでした)

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3.弊社のサービス

まずは、初回無料の個別相談で弊社の専門家がAさんの現状とご希望を伺い、家族信託でどのような財産管理が可能になるかご説明を行いました。Aさんの場合、既に弊社のセミナーにご参加いただいており制度の基礎知識もお持ちであったため、初回の面談後ほどなく家族信託の利用を決断いただきました。一方で、信託の実施には財産の所有者であるお父様の同意が必要となります。本件では、お父様が入院中であったため弊社からお電話を差し上げ、ご本人の意向確認を行いました。

その後の打ち合わせでは、初回のヒアリングに基づきドラフトの信託契約書をご用意したうえで、今後想定される様々な局面に対してどのように対応するかお聞きし、契約書の詳細を詰めていきました。また、お客様には以下の書類をご用意いただきました。

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[ご用意いただいた書類]

▼Aさんの住民票

▼お父様の印鑑証明

▼自宅に関する固定資産税通知書

▼自宅に関する権利証

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信託契約書の作成と同時に行ったのが、預金口座の整理と信託口座の開設です。お父様は複数の金融機関に口座をお持ちであったため、年金受取口座以外は解約して、預金された金銭を信託財産としました。また、信託口座は弊社専門家がAさんと銀行まで同行し、これまでにも信託口座開設でお世話になっているご担当者を通じて口座の開設を行いました。

そして、信託実行日には信託契約書の署名捺印と、自宅の信託登記、信託口座への金銭の振り込みを行いました。弊社専門家がお父様の入院先にお伺いして、お父様とAさんの双方に再度信託契約書の内容をご説明したうえで契約を締結し、信託登記を行いました。これにて家族信託が設定され、お父様が認知症と診断された場合でも、Aさんが安心して財産管理を続けられるようになりました。

4.費用について

本件における家族信託の設定費用は30万円と自宅の信託登記に際して必要となる登録免許税でした。設定費用には、弁護士による契約書の作成と、司法書士による自宅の信託登記手続きを含みます。

また、本件は信託財産が賃貸アパートのような継続的サポートを必要とする財産では無かったため、信託の維持管理費用がかからない仕組みとしました。

以上が、認知症対策としての家族信託の案件紹介となります。

この案件からも家族信託の設定が、これからの認知症対策として、有効に活用できる制度である。という事が、あらためて分かりました。

今後も、皆様にとって、家族信託を設定することで、有効活用できる案件の紹介をしていきたいと思います。


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