実績紹介

相続対策 過剰な保険契約の生前整理、信託契約書を公正証書化し信託銀行と連携

2019/06/18

本件の特徴

1)過剰な保険契約の整理

2)道外にある不動産の信託 

3)相続税対策の同時検討

4)三井住友信託銀行との連携 

お客様のニーズ

・道外にある以前の自宅について賃貸を検討したい。不動産業者からはリフォームが必要と言われており、今後の手続き負担を考えるとM様の手続きにより進めたい。

・生命保険契約が過剰と思われるため、整理をしたい。

・法定相続人となるのはM様一人であり、相続税がかかりそうだがいくらかかるのか分からない。また、相続税がかかるのであれば、相続税対策をしたい。

I様の預金について、一定の金額についてはM様が管理を行うようにしたい。

ご相談内容

札幌在住のご長女(M様)より、お母様(I様)のご自宅と預金について家族信託のご相談をいただきました。I様は道外で一人暮らしをされていましたが、今後一人暮らしを続けることが難しくなると思われたため、札幌にいるM様の近くに引っ越しをしました。M様はI様の引っ越しの手伝いをする中で、M様の老後資金の確保について不安を覚えたためM様に確認をしたところ、老後資金として十分な額はあるものの、過剰に思える生命保険契約に不安を感じました。また、複数の金融機関からI様が営業を受けており、十分に理解をしないままリスクのある金融商品を購入してしまう可能性を懸念されていました。さらに、I様が道外で一人暮らしをされていたご自宅についても、今後は可能であれば賃貸をしたいものの、I様が契約の前面に立たずにM様が代わりに手続きを進められる方法を探していました。そうした中で、インターネットで家族信託のことを知り弊社にご相談をいただきました。

家族信託設定前のコンサルティング

本件で家族信託を予定されていた財産は不動産と金銭ですが、金銭については①相続税対策の検討、と②I様の生命保険契約の解約検討を行ったうえで家族信託をする金銭の額を決める必要がありました。そこで、家族信託の詳細な打ち合わせをする前に、上記の①と②について検討を行いました。

 ①相続税対策の検討

M様もI様も、I様の相続によってM様が納めることになる相続税の額を把握されていませんでした。このため、ヒアリングしたI様の財産内容を基に相続税を試算したところ、約3千万円(財産の約2割)の相続税が見込まれました。試算結果を基に、効果的な生前贈与の実施と、節税効果のある不動産小口化商品の紹介を行いました。

 

生命保険契約の解約検討

弊社には生命保険募集人資格を有するスタッフがいるほか、代表の深谷も募集人資格に加えて日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)資格を有しているため、昨今金融機関で販売されている複雑な金融商品についても内容を理解しています。こうしたことから、高齢となった親が保有する金融商品についてお子さんから相談を受けることもあります。

本件でI様が契約されていた生命保険は大部分が養老保険と一時払終身保険でした。I様は低金利が続く環境のなかで少しでも高い利回りを求めて契約をされていたようですが、前述のとおり相続税の負担が財産の約2割に及ぶ状況で、相続税の死亡保険金非課税枠(本件では5百万円)を上回る多額の生命保険契約を維持することは相続税対策の観点から好ましくないことをお話ししました。

家族信託の設定

本件において設定した家族信託は以下のような内容でした。信託された金銭を管理するための信託口口座は、今回お客様のご希望により三井住友信託銀行で開設をしました。同行は大手金融機関の中でも数少ない信託口口座の開設を受け付けている金融機関であり、信頼性の高さと信託口口座向けに用意されたサービスの利便性を評価されての決定でした。当社では、三井住友銀行本部担当者による信託契約書の事前確認の調整など信託口口座開設に必要となるサポートも提供しております。

 

信託財産:現金3,000万円、土地、建物(金銭については生命保険解約後に追加信託も予定)

委託者兼受益者:お母様(I様)

帰属権利者:ご長女(M様)

受託者:ご長女(M様)

信託の内容:

①受託者が預金の管理をし、必要に応じて受益者であるお母様の入院や介護等に関する費用を払い出す。空き家となった不動産について、受託者が賃貸をするために必要なリフォームを行い、賃貸に必要な手続きを行えるようにする。

②お母様が亡くなった場合は信託を終了し、信託財産は帰属権利者であるご長女が承継する。

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