実績紹介

納税資金対策。お父様所有のご自宅と賃貸アパートについて受益者連続型信託を設定

2019/11/29

本件の特徴

1)相続税を検討したうえでの受益者連続型信託

2)配偶者控除を生かす相続税シミュレーションをご提示

3)抵当権の担保設定された不動産は、金融機関との連携がキーポイント

 

ご相談内容

札幌にご在住の長女(T様)より、同居されているお父様(U様)所有のご自宅と賃貸アパートについて信託のご相談がありました。ご自宅にはU様と奥様(K様)、T様が同居され、次女(Y様)と三女(N様)はそれぞれ別に住居を構えていらっしゃいました。また、賃貸アパートには残債は少なめですが金融機関の抵当権がついていました。

 

お客様のニーズ

U様が万一認知症になったとしても、アパート経営に差しさわりがないようにしておきたい。

・相続税がかかることが予想されるため、その対策もしておきたい。

・アパート経営を手伝ってくれているT様に引き継がせたい。

 

家族信託の設定

U様は直接T様に物件を引き継がせたいニーズをお持ちでしたが、資産価値がかなり高く相続税が多く発生することが予想されていました。相続税のシミュレーションを行っても、T様が直接U様より相続するパターンは一番相続税が発生するものでした。こういった場合には、奥様であるK様が一部でも相続をうけることで配偶者控除を生かすことが節税の要となります。ですが、相続発生時に配偶者がすでに認知症を患っている場合には、相続した資産を適切に管理することができません。そこで、U様が死亡した場合にご自宅の受益権を奥様であるK様が取得し、K様が死亡したときに信託を終了させてT様が帰属権利者となる受益者連続型の信託をご提案致しました。これによって、T様が受託者として適切に管理を継続できるようになりますが、相続税上はK様が取得したとして配偶者控除を受けることが出来るようになります。

 また、賃貸アパートについては、K様の相続発生時の全体的な相続税負担を考慮して、U様が死亡したタイミングでT様に権利を帰属させることにしました。U様の相続発生時にも若干の相続税が生じますが、UK様を含めた全体的な相続税負担では有利な構成をとることができました。

 T様のご姉妹お二人には信託監督人という形で姉妹全員で信託を支えるというやり方もご提案しましたが、姉妹間でのお話はしっかりできていることやずっとアパート経営に携わっているT様に任せたいとのことで今回は取り入れを見送りました。

 

【金融機関対応】

 抵当権等の担保設定がされている場合には、担保権者の理解が欠かせませんので、まずは弊社の担当者が出向き、金融機関担当者にお客様のニーズに基づくスキームや信託によって生じる変更点(実体としては変更は生じてない点も含め)を作成した資料をもとにご説明差し上げます。金融機関によっては、対応が進まなくなることもありますが、今回は何度かご説明にうかがうことによって、ご理解をいただき手続きを進めることができました。信託が広く普及するためには、金融機関とも足並みを揃える必要性を非常に痛感するところです。

  2次相続までも考慮しながら対策ができる信託の特色を生かした今回の事例でした。担保設定がされた物件であっても金融機関へのご説明などの対応実績が十分にございますので、安心して弊社にお任せください。

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