実績紹介

高齢の母所有の賃貸物件管理と将来のご自宅売却を視野に認知症対策としての信託設定

2021/10/04

本件の特徴

1)収益物件の経営を維持するための認知症対策

2)受益者連続型信託の設定により自宅、収益物件の相続対策を図る

3)不動産の売却を検討されており受託者による手続きを可能に

 

家族信託が必要となった背景

札幌にご在住の長女(R様)より、今年90歳になる高齢の母親(M様)が所有する賃貸物件、母名義のご自宅、金銭の信託について、既に遺言書を作成していましたが遺言書が認知症対策にならないことを知りご相談がありました。M様はとてもお元気のご様子でしたが90歳と高齢であり、認知症の発症や脳の病気等により判断能力がなくなるご懸念もあり、将来M様が施設へ入所されご自宅に住まなくなった場合に、自宅の売却をR様がお手続きできるよう対策を希望され相談のご依頼がありました。

 

お客様のニーズ

 

  • M様が高齢であるため認知症対策として賃貸物件・自宅・預金(年金の受取り口座以外)の大部分を信託対象としたい
  • 信託しなかった預金については既に作成していた遺言書で対応
  • M様が認知症になったとしても、賃貸物件の経営維持やご自宅の売却時、M様に代わりR様がお手続きできるようにしておきたい
  • M様が亡くなったらS様の手を煩わせずR様が不動産を売却できるようにしておきたい 
  • 将来M様がお亡くなりになった場合は、法定相続人であるR様と、長男S様で1/2ずつ分配したい
  • 法定相続人は長女のR様(子供いない)、長男S様(子供1人)の2名。万が一長男S様がお亡くなりになった場合、S様のお子様への代襲相続は希望しない

   (※S様のお子様は遠方で暮らしており、将来海外へ移住されることも考えられ連絡がとれなくなる可能性が高いため)

  • 預金の口座管理もR様へ任せたい
  • 既に作成していた公正証書遺言書同様、信託契約も公正証書にて作成したい
  • 自宅について近い将来売却の意向があったため、ご自宅の売却代金を取り壊し費用に充て、M様の将来の施設費用に充てたい

     

    信託財産の分け方

    ご意向に沿って、将来、M様がお亡くなりになった場合には以下の通りの分配方法としました。

    金銭  法定相続人2名で1/2ずつ分配

    不動産 自宅は売却して現金化して法定相続人2名で1/2ずつ分配

    但し、M様の判断能力が亡くなった場合、受託者による売却処分行為を可能とする権限付与をご希望され、そのように設定しました。

     

    信託の終了時期

    不動産の売却において、信託の終了時期は生前か死後に行うか定まってないももの、お母様の死後は不動産の売却することが明確であったため、信託の終了時期は自宅、賃貸物件の売却後としました。

     

    預金口座の集約

    現在、各金融機関では高齢者の預金引出しについて厳重な本人確認を実施しております。多く口座を持ち続けると、解約手続きの際には煩雑は作業が増します。今回、信託対象となる預金については、信託口口座へ送金しやすいよう、定期預金は解約し事前に集約していただきました。

     

    最後に

    公正証書遺言は既に作成されていましたが、認知症対策を家族信託契約にてカバーしたハイブリット型のケースでした。昨今、弊社へお問い合わせ頂く方に多い事例です。相続に対して皆さまの意識の高まりを感じます。また、共有となることを防ぎながら財産を分配することができる信託の特色を生かした今回の事例でした。

     弊社では、家族信託に必要不可欠な専門家が連携しワンストップでサポートできる点も強みの一つです。お客様との各専門家とのやり取りは家族信託コーディネーターが担当しますのでお気軽にご安心してご相談ください。

     

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