家族信託Q & A

家族信託を使うと相続税の節税になるの?②

2016/12/26

ご質問

認知症の配偶者に家族信託を使って財産を承継するメリットは?

 

回答

相続税を節税するためにまず考えていただきたいのが、配偶者控除 (※1) を活用できるかです。

相続が発生した際に配偶者がご存命であれば税務の世界では配偶者控除が活用可能ですが、その際に問題になるのは奥様が亡くなった際の二次相続や、奥様ご存命中の財産管理の問題です。

後者については後見人制度の活用も考えられますが、前者については認知症の奥様が遺言書を作成したり積極的な生前贈与を行うことができないため、法定相続に委ねるしかなく将来相続トラブルに繋がるリスクがあります。

家族信託を活用することで、現在財産をお持ちの方が二次相続まで指定することが可能なほか、認知症の奥様に代わって息子さんなど他のご家族に信託を設定する財産の管理や処分を委ねることが可能になります。

不動産取得税や登録免許税の節約に繋がる信託の活用は次回【家族信託Q&A】「家族信託を使うと相続税の節税になるの?③」にてお話しします。

※1
被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度。

(1) 1億6千万円
(2) 配偶者の法定相続分相当額

 

<執筆者情報 >  株式会社つなぐ相続アドバイザーズ 代表取締役   公認会計士 税理士 深谷 陽次郎 
2013年 深谷陽次郎公認会計士・税理士事務所を設立。企業オーナーや相続、事業承継のコンサルティングサービスを多く扱う中で相続における生前対策の必要性を感じ、2014年株式会社つなぐ相続アドバイザーズを設立、これまで100件を超える家族信託に係わる。不動産相続の実績も豊富で、税務視点からの信託設定のアドバイスにも定評あり。一般社団法人家族信託普及協会の会員でもあり士業間のネットワークも充実している。

 


家族信託を利用した相続税の節税も、つなぐ相続アドバイザーズ

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