家族信託Q & A

相続土地国庫帰属制度ってなに?

2023/04/05

ご質問

相続土地国庫帰属制度ってなに?


回答

令和5年4月27日から始まる新制度で、一定の要件を満たすと相続した土地について国に引き渡すことのできる制度です。

昨今、所有者がはっきりとわからない土地(所有者不明土地)が増えていることが社会問題となってます。特に利便性の低い土地などは、相続をした後の活用の見通しも立たないことからそのまま放置するケースが多いように見受けられます。放置する期間が長期間にわたると、相続が重なっていて、権利関係が複雑になり過ぎて、いざ活用しようにもまとまらないことなどが懸念されています。
こういった所有者不明土地の増加への対策の一環として令和6年4月1日からは相続登記の義務化が始まりますが、それに先駆けて令和5年4月27日から「相続土地国庫帰属制度」が始まります。

これは、相続又は遺贈によって土地の所有権を相続した人が、一定の要件を満たした場合に、10年分の土地管理費相当額の負担金を納付をしたうえで、土地を手放して国に引き渡す(国庫に帰属させる)ことができる新しい制度です。その不動産を管轄する法務局・地方法務局の本局が申請窓口となります。
相続の原因が制度の始まる令和5年4月27日以前であっても、利用することができますし、複数の相続人で共有している場合でも、全員で申請を行うことで利用することができます。
対象となる土地は「建物がないこと」「担保権が設定されていないこと」「境界が明らかではないなど争いのないこと」などいくつかの要件を満たしている必要がある点は注意が必要です。

管理が大変な遠方の土地など、相続が発生した場合には悩みの種になることも多くありましたが、今後はこの制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

詳細については法務省のHPをご参照ください。

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