家族信託Q & A
家族信託している場合、インボイスに記載する適格請求書発行事業者の登録番号は受託者と受益者どちら?
2022/04/21
ご質問
家族信託している場合、インボイスに記載する適格請求書発行事業者の登録番号は受託者と受益者どちら?
回答
令和5年10月1日から予定されているインボイス制度について、テナントビルや駐車場を家族信託している場合に、請求書には受託者と受益者のどちらの適格請求書発行事業者の登録番号を記載すれば良いのかについてお答えします。
まず、家族信託をしている場合において、テナントビルや駐車場から発生する賃料に含まれる消費税は受益者が納付する必要があります。ここで、受益者は既に消費税課税事業者である前提とすると、受益者が適格請求書発行事業者の登録番号を取得し、インボイスには受託者が請求事務を行うものの受益者の代理交付であることと記載するとともに、受益者の登録番号を記載することになると考えます。
媒介者交付特例の活用も考えられますが、家族が受託者になることが多い家族信託において受託者も消費税課税事業者であるケースはさほど多くはないと思われます。
媒介者交付特例とは?
委託販売の場合、次の①及び②の要件を満たすことにより、媒介又は取次ぎを行う者である受託者が、委託者の課税資産の譲渡等について、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書又は適格請求書に係る電磁的記録を、委託者に代わって、購入者に交付し、又は提供することができます。
① 委託者及び受託者が適格請求書発行事業者であること
② 委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知していること
なお、インボイス制度は本Q&A作成時点でまだ明確になっていない部分もあるため、今後訂正の可能性があります。