家族信託Q & A

障がいのある子に財産を遺すのに家族信託は有効ですか?

2022/08/09

ご質問

障がいのある子に財産を遺すのに家族信託は有効ですか?


回答

知的または精神的な障がいを持つ子に財産を遺しても、本人がその財産を管理することは難しいことがあります。成年後見制度を活用している場合であっても、もしくは何らかの事情により成年後見制度を活用していない場合であっても、家族信託は一つの選択肢になりえると弊社では考えております。

具体的には、以下3つの点において家族信託の効力が期待できます。

 

信託した財産について遺言と同様に相続を指定することができます。このため、遺産分割協議で障がいのある子を含めた相続人の間でトラブルになることを防げます。なお、子供の障がいの程度によっては遺産分割協議に際して、障がいのある子に成年後見人が必要となり、手続きが長期化する恐れもあります。

 

親に相続が発生した後も、障がいのある子(例えば次男)を受益者、他の子(例えば長男)を受託者と定めた家族信託を設定しておくことで、受託者(長男)が財産を管理しながら、「毎月10万円」など信託契約で定めた方法で受益者(障害のある次男)にお金を渡す仕組みを導入することが可能です。障がいのある子が相続財産をめぐって犯罪に巻き込まれたり、浪費により短期間で使ってしまったりする恐れを軽減できます。障がいの程度が重く自分でお金の管理をすることが難しい場合は、設定した信託の目的に基づいて受託者が障がいのある子(受益者)のためにお金を管理して必要に応じて受益者のために施設費などの支払いをすることもできます。

 

高齢となった親の財産管理を障がいのない長男に任せることで、親が認知症となった場合も、長男が親のために財産管理をしてくれるため安心ができます。また、親に相続が発生した以降は上記①、②に記載した、相続手続きと障がいのある次男のための財産管理を長男に任せることができます。

 

実際に弊社で障がいのある子に財産を残す方法として家族信託を選択されて手続きを実施された方もいます。
事例としては、こちらをご覧ください。 

 

【事例紹介】

障がいのある方の親なき後のお金の管理を目的とした家族信託設定

パーキンソン病による意思能力低下に伴う父親の財産管理と障がいがある長男の生活保障をカバー

 


< 積水ハウス様主催「障がい者グループホーム等 勉強会」を実施致しました >

”親として元気なうちにやっておきたいこと” (2019年5、8、10月実施 全3回シリーズ)

勉強会の内容はセミナー一覧(コチラ)よりご参照ください。

 

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